温活とは?温活の9つのメリットと4つのデメリット

温活とは、体を温めて冷えからくる不調から身を守り、ポジティブに健康を促進するライフスタイルです。

主に、温め体質をつくる「食」とインナーマッスルを動かして熱をつくる「運動」と熱を逃がさない「温めグッズ」と外から熱を加える「温めケア」にわかれます。

深部体温が37度に保たれると、ホルモン、免疫、自律神経の働きを円滑になります。深部体温とは脳や内臓など体の内側の体温で正確に計るのは難しいため、脇の下で計る表層体温が平均36.5度から36.8度くらいを目安に温めケアをおこないます。

温活のメリット

体を温めるとメリットはいっぱい!まずは9つにまとめてみました。

 冷え症の予防

平熱が35度代の日本人が増えている

冷え症とは、外気温が寒いといえない環境でも体の一部または全部が冷えてつらさを感じる状態のことです。冷え症という病名があるわけではありませんが、体温が1度下がることで免疫力は30%低下するともいわれています。ガン細胞は35度代で活発になるので、平熱を36度以上に保つことは子どもから大人まですべての人に大切なことなのです。体を内側から温める食べ物、飲み物、運動や体の外側から温める温活で冷え症を予防して免疫力を高めます。

不妊の予防

~赤ちゃんを授かりやすい体づくり

体温調節をコントロールするのは視床下部で、同じ部位でホルモンもコントロールされています。人間は35度未満から低体温症による症状が出て、25度で仮死状態に陥ります。人間にとって「冷える」ことは命の危険を意味するのです。そのため、体温調節を最重要課題として脳はコントロールしています。体温調節にエネルギーが偏ってしまうと、ホルモンバランスが乱れてしまう可能性があります。不妊の原因は様々ですが、温活によって体温調節が楽になり、自律神経が整ってくると、ホルモンバランスも整うといわれています。温めることは、妊活の第一歩なのです。

認知症の予防

~脳への血流を増やし若々しさをキープ

認知症の理由として、脳内にアミロイドβとタウタンパク質の蓄積により脳神経細胞が死滅してしまうことが知られています。アミロイドβとは、脳神経細胞の老廃物で45歳くらいから蓄積が始まり25年ほどの年月を経て認知症が発症してしまいます。何の自覚症状もありませんが、確実に脳に老廃物がたまっているのです。その老廃物を回収するのが毛細血管。

毛細血管も40代から減り始め60代では20代の40%も減少する、ともいわれています。脳内でも毛細血管が減少することでアミロイドβの回収がうまくできずに脳にたまってしまうのです。

温活で血行を促進し、毛細血管を増やすことを心がけることで、アミロイドβの蓄積のスピードを遅らせて認知症の予防ができると期待されているのです。

尿もれ(失禁)の予防

~骨盤底筋を温めてしなやかさを取り戻す

私たちの大切な内臓を支えているのは、骨盤底筋群という筋肉です。筋肉が衰えてしまえば、内臓が体から出てしまうという現象がおこります。これは比喩ではなく、本当に体の外に出てしまうのです。その前段階に頻尿、尿もれといった症状が出ることがあります。骨盤底筋群は出産などで傷ついたり、運動不足で柔軟性を失い、冷えて血流が悪く栄養がいきわたらないことで筋肉が衰えてしまうと尿もれがおこります。以前は出産を経験した女性が更年期以降に女性ホルモン・エストロゲンの減少で筋肉が衰え、尿もれを経験することが多かったようですが、現代では10代から20代、年齢に関係なく悩んでいる方が多いのです。それは現代社会が運動不足と冷えを増すライフスタイルだからでしょう。骨盤底筋群を鍛えるのは呼吸とインナーマッスルの運動ですが、冷えて硬くなった筋肉に力を入れてもうまく動かすことができません。まずは温めるケアをおこなうことで骨盤底筋群の血行を促し栄養をいきわたらせ、はじめて筋肉を柔軟に動かすことができるのです。

便秘の予防

~子どもに増えている便秘も温めてケア

子どもの尿もれと同様に、子どもの便秘も増えているといわれています。欧米型の食生活や夜遅くまで目や頭を酷使して、寝坊して朝食もとらずに、トイレに行かずに学校に行く、というようなライフスタイルが大きな原因でしょう。現代の子ども達の腸が冷えてしまっていると考えられるのです。腸が冷えると蠕動運動が弱くなり、便を排出する力が弱まってしまいます。便が腸に留まると、その老廃物は再吸収されて体をめぐり、肌荒れや体臭、肥満をひきおこします。子どもも大人もライフスタイルの見直しとともに、善玉菌を増やす食事と骨盤内の血流が良くなる温めケアが大切なのです。

生理痛、PMSの予防

~人生の半分をポジティブに過ごすために

女性の月の1/4は生理期です。PMS(月経前症候群)がある女性はその前の1週間とあわせて月の半分は体調不良を抱えることになります。生理痛があるかないかで、人生の半分の過ごし方がかわってきてしまうのです。生理痛のおきる理由は様々ですが、冷え症も大きく関わっています。生理痛をおこすのは「プロスタグランジン」とよばれるホルモンの一種で、出産の時の陣痛と同じように子宮の筋肉を痙攣させて経血を体の外に出す働きをしています。このプロスタグランジンは血管を収縮させるので、冷えやすい状態を作ります。はじめから骨盤内が冷えて血流が悪いと、プロスタグランジンが骨盤内に滞り、痛みを感じ続けることになります。痛みはないのが普通ですから、痛みがある時は体からの声を無視せずに、骨盤内の血流を促進する温めケアが大切なのです。

スリミング効果

代謝アップで太りにくい体へ

体温が一度下がると代謝が12%も下がると言われています。代謝が下がると消費カロリーが減りますので痩せにくい体になってしまいます。逆に体を温めることで代謝があがり、スリミング効果が期待できるのです。体は冷えると命にかかわると感じて皮下脂肪をためるように働きます。でもいつも温かく体温がキープできていれば皮下脂肪を手放しても大丈夫だと脳が判断するのです。

心が温まりストレス耐性が高まる効果

~体を温めると心が温まる

体を温めると、ほっとして心が温まるということは誰でも経験したことがあると思います。その理由は、身体的な温かさを感じる部位と心理的温かさを感じる部位が同じ島皮質だから、ともいわれています。体が温まり快適な温度を保っていれば、体が冷えて死の危険に陥る心配をしなくていいわけですから、安心感につつまれるのも納得がいきます。このことから、心がつらい時、心理的ストレスが強いと感じる時も体を温めることで心の冷えを和らげることができるのです。

安眠効果

日中は体温が高く夜間に下がることで熟睡できる

人間の体温は一日の間に1度くらい上下するといわれています。日中しっかり体を動かして活動し体温を上げておいて、夜22時くらいから下がり始める体温とともに、横になって刺激を減らして入眠すると、熟睡できるといわれています。熟睡のためには、寝る前にしっかり体温があがっている必要があるのです。入浴などの温活で体温を上げることで安眠効果が期待できます。

出典:テルモ(睡眠と体温)http://www.terumo.co.jp/

 

温活のデメリット

温めてはいけない場合をのぞいて、温活のデメリットはあまりありません。ただ、偏ったケアをおこなうことで逆効果になる場合も考えられるので、あえてデメリットをまとめてみました。

血行促進でかゆみが強くなる可能性

温まるとかゆくなる・・でも温めることは大切

アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹の方などは、体を温めることでかゆみが増すこともあります。汗に含まれる老廃物が皮膚を刺激することや、炎症部分が温まるとアーテミンの働きによってかゆみが増してしまうということです。

「大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座(皮膚科学)室田浩之講師らの研究グループは皮膚病変部にサブスタンスP※1によって皮膚の真皮※2線維芽細胞※3から誘導される神経栄養因子※4の一つであるアーテミン※5が「温もると痒い」現象を引き起こす事を発見しました(図1)。アーテミンの発現は正常な皮膚では認められませんがアトピー性皮膚炎や貨幣状湿疹※6などの病変部に強く沈着しています。動物実験からアーテミンは皮膚末梢知覚神経の数を増加させるとともに、皮膚の温感を敏感にする事が分かりました。さらにアーテミンを投与したマウスは38度の温かい場所で激しい皮膚の掻破※7行動を示します。このことから皮膚におけるアーテミンの異常な蓄積が「温もると痒い」の原因であることを見いだしました。」

出典:大阪大学http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/ResearchRelease/2012/07/20120712_1

このことから、炎症がおこっている部分は温めないように工夫することや、汗をかいたらこまめにふきとること、炎症がおこっている間は様子をみながら温活するなどの工夫が必要です。

 

間違った温活方法で逆効果?

汗腺を甘やかすと体臭がきつくなる!?

体温調節が体にとって負担なのだから、一年中空調の整った室内にいることが一番良いのではないか、というとそうではありません。汗をかく必要がない生活が続くと、汗腺の機能が衰えてしまい、気温差が激しい場所に行くと体温調節がうまくできずに倒れてしまうこともあるのです。しかも、運動習慣のない人の汗は弱酸性のはずの汗がアルカリ性に傾くことが多く、雑菌が繁殖して体臭もきつくなることが知られています。

また、重ね着を常にすることや、使い捨てカイロなど長時間高温が続くもので外から熱を加えることが当たり前の暮らしになると、グッズが手放せなくなってしまう可能性もあります。運動が苦手な方でも、自分の力で熱をつくることができるようにインナーマッスルを鍛えて発汗習慣をつくるなど、偏らない温活ケアをおこなうことが重要です。

信じてたのに、間違いなの?

大切なのは自分の体の声を聴くこと

ショウガや黒コショウは体を温めますが、あくまでも着火剤の役割なので、他の栄養素がとれていないと上手く働きません。玄米が良いといってもお腹を壊す人もいますし、100人いれば100通りの温活術があるとおおらかに考えた方が良さそうです。体を温める食材、冷やす食材、食べ方など情報があふれていますが、体の仕組みはまだわからないことのほうが多く、医学の常識も180度変わることも少なくありません。例えば、以前は卵が悪玉コレステロールを高めるから高血圧の人は1日1個しか食べてはいけないと言われていたのに、最近では長寿のために1日に卵を2~3個食べましょう、などと言われているのです。まじめに情報を信じて、大好きな卵料理を我慢してきた皆さんはこのニュースにどう思われたでしょうか・・。情報を上手に活用することはとても大切ですが、それよりも自分の心と体の声をよく聴いて、自分にとって何が一番大切なのかを選び取る感覚を養うことが重要ですね。

結果重視でストレス倍増?

数字を気にすれば気にするほど交感神経が優位になる

体質改善には長い時間がかかりますが、結果を急ぐあまり自分の体調に目をむけすぎて常に交感神経が優位になってしまうことがあります。妊娠を希望される方が、起床時に基礎体温を計る時も、少し体温が下がっているだけで落ち込み、自分を責め、すぐに温活の効果が出ないことにイライラを募らせてしまうことがあるのです。体を温めて副交感神経優位でリラックスすることが大切なのに、数値にとらわれて頭でっかちになっているとせっかくの効果が期待できません。温泉に入りながら難しい育児本を眉間にシワをよせ、汗を流しながら読むような不自然な状態にならないように注意したいものです。結局は、ゆったりとしたキモチで温かいという心地よさを全身で味わうことが、冷え症の予防にも妊活のためにも良いことなのです。

 

まとめ

いかがでしたか?

温活のメリットは9つ

冷え予防による免疫力アップ、認知症予防、不妊予防、尿もれ(尿失禁)予防、便秘予防、生理痛予防、抗ストレス効果、安眠効果でした。

温活のデメリットは4つ

かゆみが増す可能性、間違った温活方法やこだわりすぎて逆効果になってしまう可能性、結果を焦り数値にとらわれて逆効果の可能性についてまとめてみました

自分の身体と向き合って、よくふれて、どこが冷えているのか体の声を聴いてみましょう!

あなたの不調が温活で少しでも良い方向にいきますように願っています。

温活の5つの禁忌~温めてはいけない時はどんな時?

文:日本エナジーハンド協会代表 宝官明子